2012年1月30日 (月)

消費税率を高くするなら、保証年金制度は無用だ

民主党が、最低保障年金制度を唱えていたはずだが、消費税率の試算結果の公表を一方的に凍結した。消費税10%への増税を言い出した矢先に、この試算結果を公表することは、あまりに総選挙への影響が大きすぎると判断したためだ。「数字が独り歩きしてしまうので…」との理由を上げたことから、明らかだ。

だが、年金最低保障額の考えが正しいという信念があるのなら、それを実現するためにどれだけの間接税が必要になるのか、堂々と明らかにして、それが是か非かを国民とともに検討していくべきだ。公表凍結は姑息な手口でしかなく、支持率を下げるだけだ。

試算非公表の問題はさておき、消費税を高率にするくらいなら、最低保障年金制度は不要だと考える国民が多数だろう。年金で暮らせない人たちの生活は、憲法が保証する最低の文化生活を与える社会福祉でまかなうべきであり、年金を増やす必要はない。

月額8万円程度の年金を保証しても、一軒家に1人で住んで、固定資産税や光熱費、電話の基本料、NHK受信料などを支払っていたら、どのみち生活は難しい。

超高齢社会の中で、こうした老人が生きていくためには、一軒家は放棄して、公共の老人施設へ移ってもらう社会制度にしていかなくては、これからのわが国の社会は成り立たないだろう。

現役勤労者1人で老人1人を支えなければならない時代にあっては、そうした制度にしていかないと、若者が働く意欲をなくしてしまう。

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2012年1月29日 (日)

NHK平清盛の画面はうすぎたないか

NHKの大河ドラマ「平清盛」の映像は、海の青さがでておらず、画面が汚くて見る気にならない、などと兵庫県の井戸知事が語ったことが、波紋を広げている。

兵庫県庁には多数の反響がメールや電話で寄せられ、「兵庫県の観光PRのためのドラマではない」など、9割は知事のコメントを批判するものだが、支持する内容の声もあるという。確かにこのドラマ、画面が暗く薄汚い、という認識は正しい。

NHK側は1/18の記者会見で、「平安時代をよりリアルに映像体験できるように努めている」と説明した。だがこの説明はおかしい。平安時代の瀬戸内の海も、空も、やはりすっきり青かったことは明白だ。わざわざ薄汚れた映像にすることが、なぜ平安時代をリアルに表現していると言えるのか。

ただ、今はデジタルテレビの時代になって、お茶の間テレビの解像度が高くなっている。普通に編集して放送したのでは、役者のメイクや、かつらと髪の継ぎ目などが、とてもリアルに分かってしまい、スタジオで撮影している現実感が、ありありと視聴者に伝わってしまう。

そこでドラマの演出者としては、視聴者にできるだけテレビ中継でなく、平安時代のイメージを表現したいと知恵をしぼったことは、理解できる。とはいえ、わざわざ画面がかすむフィルターをかけて、見づらくすることはないだろう。

問題はスタジオ中継のようになってしまう、デジタルビデオ映像にあるので、これをフィルム撮影による、映画のような画面処理をすれば済むことだ。史実を描いた過去の映画でも、海や空の青さを美しく撮影している。それで時代のリアル感が低いということはない。

歴史のリアル感を演出することと、瀬戸内海の海の青さを見せることは、両立できる。NHKには改善を望みたい。

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2012年1月27日 (金)

原発テロ攻撃対策を隠していた保安院、それでも全原発がやがて停止する

米国では同時多発テロを契機に、原子力発電所がテロ攻撃によって、全電源を喪失する可能性があるとして、対策を義務化している。しかし経産省の原子力安全・保安院は、その米国の対策を2008年までに研究していたにもかかわらず、東電をはじめ電力会社などに伝えていなかったことが判明した。

保安院では、テロによる航空機の激突までは現実的な危機と考えず、「想定外」としていた。だがこの対策を指示していれば、福島原発事故の被害を抑えられたと、東電や政府関係者が指摘している。

航空機テロよりも、わが国の場合、大いに可能性の高いテロ攻撃は、隣国からのミサイル攻撃だ。

核弾頭をつけたミサイルを発射すれば、日米安保によって、米国による核ミサイルの報復を受けることになる。だが通常弾頭のミサイルが、結果的に原発に命中して放射能が拡散する場合、攻撃側は「核兵器による攻撃を行ったわけではない」との理屈をつけることができる。

福島原発1か所の事故で放射能汚染がこの始末だから、原発テロは核兵器と同じほどの損害を与える、効果的な攻撃になり得るのだ。

保安院が、米国の原発テロ対策を公表しなかったのは、決して想定外と考えたわけではない。当時の自民党政権による、原子力推進政策に照らせば、原発テロの話題にふれて、反対派が雑音を高めることを避けたいとの理由以外に考えられない。

幸いにして原発テロまでは発生しないまま、今春には日本国内の原子力発電所が事実上すべて停止する状況になる。東京大阪での住民投票を実現させるまでもなく、このまま原発ゼロの日本にオーバーラップしていくことが、望ましい。

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2012年1月26日 (木)

米コダックの破たん、デジカメ時代になぜ対応できなかったのか

米国のカメラ事業大手、イーストマン・コダック社が経営破たんした。家庭のカメラはこの10年でほとんどがデジカメにとって代わり、フィルムの売上高はいま10年前の5%ほどだという。

フィルムが確実に売れなくなることが分かっている中、日本の大手の富士フイルムやコニカは着実に事業を多角化し、脱フィルム事業に転換して、生き残っている。コダックはなぜ転換できなかったのだろうか。

米IBMが90年代に経営再建のため、ナビスコ社からCEOに迎えたガースナー氏の言葉が有名だ。進化論を唱えたダーウィンの説を引き合いに、「最も賢いものが生き残るわけではない。最も強いものが生き残るわけではない。変化できるものだけが生き残る」と言った。

時代の変化に対応できない者は、強い恐竜でも滅ぶ。常に変革意識を持っていなければ、どんな大企業にも明日はないと、ビジネスにもまさに通じる名言とされ、米国はもとより日本でも多くの企業の社長たちが、この話を引用した。当時の小泉首相まで、国会の所信表明演説で引用したこともある。

数年前、「チーズはどこへ消えた?」という本が、多くの企業の社内研修で使われて、話題になったことがある。昨日と同じ仕事を今日もすれば、先月と同じ給料をもらえると思っていてはいけない。昨日までの仕事は、今日なくなるかも知れないのだ。

人間は忘れる動物だから、変化への対応が大切と思っても、月日が経つとすぐ甘くなる。コダック社の破たんを対岸の火事とせず、気持ちを新たにしたい。

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2012年1月25日 (水)

国家公務員給与の2年間のみ下げでは、消費税アップは認められない

民主、自民、公明3党は1/25、国家公務員の給与削減法案で一致した。0.23%引き下げの人事院勧告に加えて、さらに2012年度から2年間、平均7.8%の削減を上積みする内容だ。

だが、これで消費税アップと引き換えにすることはできない。国家公務員給与の7.8%引き下げは、2年間だけしか適用されない。目的は東日本大震災の復興財源への協力であり、そのために2年間のみのダウンなのだ。

バブル崩壊やリーマンショックにより、民間企業の賃金は明確に下がり続けており、公務員給与との格差は広がっている。公務員給与を下げた分、2年間は震災復興財源に充てることはよしとしても、2年経過したのちに戻すことは間違いだ。官民格差是正のために、ダウンをそのまま継続するのが当然だろう。

国民は、「公務員給与も下げたから、消費税のアップはやむを得ない」などと納得してはいけない。衆議院議席の比例80削減案も、公明その他小政党の反発で、どうなるか分からない。公務員給与の継続的ダウンと、国会議員削減が実施されない限り、消費税率のアップは、認められない。

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2012年1月23日 (月)

厚労省元係長の有罪、代々の郵政幹部にも責任がある

郵便料金割引の適用を認可する、厚労省の証明書が2004年に発行されていた不正事件は、厚労省元係長の上村被告(42)の単独犯行だったとして、大阪地裁は1/23、懲役1年執行猶予3年とした。

被告の上司だった、厚労省元局長の村木氏の指示によるものだとした検察の当初の路線は、検察側の証拠改ざんまで明らかになった、注目される事件だった。

今日の判決では、上村被告は郵便割引の申請者が、不正な団体と疑う必要があったのに、忙しいことを理由に確認を怠り、権限外の捺印をして証明書を発行したとして、被告の単独犯行と認定した。

だが、実行行為そのものは単独だったとしても、こうした郵便料金割引の適用を受けている既存の団体・企業が、本当に正しく制度を運用しているかは、疑わしい実態がある。認可を出している厚労省の職員たちは、その実態を厳しく監査せず、単に形式上の要件が整っていれば、認めてしまっている日常があるとすれば、その点を追求せずに元係長被告だけを処罰するのでは、やや気の毒の感がある。

たとえば、同じく料金の割引が受けられる第三種郵便物は、年4回以上の定期刊行で、発行部数の8割以上が、有料の購読者が料金を支払っている必要がある。ところがその認可を得たい企業は、自社の社員を動員して家族や友人に依頼し、定期購読の申し込みをして購読料金を各地の郵便局や銀行から振り込んでもらい、「有料購読者」が8割以上存在するように見せかけて、申請する場合がある。

これら振り込まれた購読料は、当然にその企業が、実費に謝礼金もプラスして、個人へ支給する。厚労省が審査をする際に、それらの有料購読者を一定数モニタリングして、支払った個人へ調査をすれば、でっち上げた有料購読者だということが分かるはずだが、そうした審査まで行っているか、疑問だ。

また、認可した団体に対して、2年目・3年目にも本当に8割以上が有料購読者なのか、毎年エビデンスを提出させれば、不正は分かるはずだ。だがこうした割引制度は、いったん認可されてしまうと、よほど不正の密告や苦情が入らない限り、そのまま何年も割引の恩恵に預かることができる。

元係長被告の単独有罪で片づけてしまうだけでなく、こうした不正な状況を正していくことにも、目を向けるべきだ。この被告が、特にわいろなどの金銭的利益を得たわけでもないのに、権限外の捺印をしてしまった背景には、書類の形式が整っていれば、どのみち認可されてしまうという認識があったのかも知れない。

そうした日常を放置してきた、代々の郵政幹部にも責任があるというべきだ。

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2012年1月22日 (日)

野田首相の解散恫喝に腰が引けた自民党では勝利はない

野田改造内閣を受けた、新聞各紙の世論調査結果が出そろったあたりから、民主党政府のスローガンが変化してきた。「税と社会保障」に加えて、衆院議員定数の80削減と、公務員人件費削減を含めて「一体改革」を言うようになってきた。

これは結構なことだ。私が本欄の1/10で書いた「消費税上げは公務員・国会議員削減とセットでなければ認められない」の路線に一致するものだ。NHK世論調査結果では、消費税アップに反対は多いものの、「公務員の人数および給与削減をせずに、消費税を上げるべきでない」の選択肢には、70%がYesと回答していた。

これに、議員定数削減をセットするなら、国民は消費税上げはいやだと思いつつも、政府がこれだけバランスをとって決意を示すなら、やむを得ないと考える人が多いだろう。小泉首相が郵政民有化選択解散を敢行して、勝利を得た手法にならって、野田首相は解散に打って出ることを狙っている。

民主党内でも、消費税上げに反対して、採決で造反する者がいるかも知れない。民主党が分裂することも織り込んだうえで、解散総選挙を選択することは、日本の将来を決めていくために大いに正しい。

野田首相は衆院定数削減もセットして国民の信を問うために、削減の内訳には自民党の案を丸のみする妥協もして、解散することもあると述べた。この“恫喝”に対して、自民党は早くも腰の引けたコメントを出している。

このままでは、自民党が主張する解散総選挙が実現しても、自民党に勝利はないだろう。変革には混乱を恐れてはいけないのだ。

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2012年1月21日 (土)

居座り客のマナーを大学のせいにしたマクドナルド店の失敗

関西学院大学(西宮市)が、近くのマクドナルド店から「学生が、勉強しながら長く居座って困る。飲食物を持ち込んでいる学生もいる」などと苦情を受けたことから、学生にマクドナルド店への出入り禁止通達を出した。マクドナルド社では、「学生のマナーの改善をお願いしたが、出入り禁止まで求めたわけではないのに」と困惑しているという。

だが、これはマクドナルドの認識がおかしい。大学へ申し入れる前に、店内にマナー掲示をするなり、長居する学生へ口頭で伝えるなど、あくまでも客である学生本人らに対して、直接行うべきものだ。

そうした努力を怠って、単に大学へ苦情を入れて、大学から指導してもらおうなどと、安易な方法をとるから、大学側から“報復”的な措置をされたのだ。おそらく大学側の人間も、「直接に客に言えばいいものを、なんでこっちに苦情を持ってくるんだ…」と思ったのではないか。

この一件に限らず、近年の人間は、自分の責任を放棄して他人頼みにする風潮がある。たとえば電車内でさわぐ自分の子どもに、「まわりのおじさんたちに、叱られるよ」などと言う母親がそれだ。

「まわりに迷惑だから、静かにしなさい」と自分の責任で指導すればいいものを、「おじさんたちが怒る」という、他人のせいにしようとする言い方はよくない。いろいろな言動で、自分がそうした自己責任をあいまいにした姿勢をとっていないか、お互いに注意したい。

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«君が代不起立に対して最高裁の分断判決、妥当なところだ