2012年5月25日 (金)

無実の証明をしたいなら、自白剤を自ら希望したらどうか

昭和36年に三重県名張市で発生した「名張毒ぶどう酒事件」で、再審を求めていた奥西勝死刑囚(86)に対して、名古屋高裁は5/25、再審を認めない決定をした。

この事件はすでに半世紀が経過して、再審請求が7回出され、再審決定になっても取り消しになったり、司法界も混乱している。

この死刑囚は、逮捕されての捜査段階で犯人と認める自白をしたことも、有罪判決を招く一因になっている。警察の取り調べに、どれだけの拷問があったのか、その事実を巡っての問題が、あまり取沙汰されていないことも問題だ。

だが有罪か無罪か、この死刑囚本人は確実に真実を知っている。それだけは確かだ。心の中をのぞく自白剤を使用する捜査は、現行法では認められないが、本人が無実を明らかにしたいなら、自ら自白剤の使用を申し出たら、どうだろうか。

昏睡状態での尋問が誘導的になる可能性もあるので、尋問者は検察側と弁護側が公平に担当することにする。尋問の様子はすべてビデオに記録し、被告本人にも覚醒後に見る権利を与える。そんな条件のもとで、あくまでも本人が希望する場合に、実施してみればよい。

私自身、もし無実の罪で逮捕されるようなことが発生した場合は、そんな申し出をしてみたいと、日ごろから考えている。

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2012年5月24日 (木)

小樽商大が大学祭中止、4年生は飲酒を正しく指導しろ

小樽商科大で、アメフト部が5/7に学内で開いたバーベキューパーティーで、新入生など9人が急性アル中になって病院搬送騒ぎになった。うち1人がいまだに意識不明であることから、大学祭実行委員会は今年の大学祭の中止を決めた。

問題を起こしたアメフト部では、新入生に対して4年生が事実上の飲酒強要をしたらしい。小樽商大は、北海道の国公立大では北大に次いで、優秀な学生が集まっている大学だ。イッキ飲みがよくないことは、ずいぶん昔から言われていることだし、むしろ先輩学生は新入生にイッキ飲みをしないように指導する責任があるはずだ。

人によって酒の適量が異なることを教えながら、酒は少しずつ飲んで、気持ちを豊かにすることを楽しんでもらいたい。【5/25追記:意識不明だった学生は5/24夜、死亡】

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2012年5月21日 (月)

琴欧洲の千秋楽休場、協会のリスク管理が甘い

旭天鵬が涙の優勝を飾った大相撲夏場所。モンゴルから日本国民に帰化し、地道に努力してきた年長の旭天鵬が優勝したのは、結果としては最良だが、プロセスが悪すぎる。

千秋楽に栃煌山との対戦が組まれた大関琴欧洲が、当日に休場を表明した。3敗の3人がもし全員敗れると、白鵬ら4敗勢まで優勝の可能性が出てくるという、大変な盛り上がりが期待された千秋楽だった。

それが琴欧洲の休場発表によって、あっけなくずっこけた。不戦勝の栃煌山が勝ち名乗りを受ける場面で、日本のスポーツではサッカーや野球でも見られないくらい、珍しく観客の大きなブーイングが起こった。

この異様なムードに、不戦勝を得た栃煌山は、相撲を取るよりも精神的なプレッシャーがかかったのではないか。それが、優勝決定戦であっけなく敗れることにつながったかも知れない。

当日になって休場を表明した琴欧洲にすれば、なんとか千秋楽にも土俵に上がるべく、様子を見ていたことはあるだろう。だが、万一の欠場になる可能性もあるのだから、そのリスクを協会へ報告しておくべきだった。協会にしても、前日の相撲を見れば、千秋楽は果たして大丈夫かを、14日目の夜遅くまで確認すべきだった。

そして当日の早朝にでも、負傷の様子を早くから調べて、場合によっては千秋楽の朝の時点でも、取組みの変更をすることもできた。そこまで確認をしていなかったのは、単に琴欧洲の無責任だけでなく、協会そのもののリスク管理が甘いことを露呈している。

千秋楽の旭天鵬にしても、本割では豪栄道に負けそうな局面もあった。本当に負けていたら、大関稀勢の里が負けただけに、不戦勝の栃煌山がそのまま優勝杯を抱いていたことになる。そんなことになっていたら、観客の多くは表彰式に背を向けて、帰宅していたのではないか。

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2012年5月20日 (日)

死刑制度の存続は、賛成か反対かの2つしかあり得ない

死刑制度は日本国民の8割以上が賛同しているといわれるが、超党派の国会議員でつくる死刑廃止議員連盟(代表・亀井静香)が5/17、異論を唱えた。世論調査の設問が誘導的であると主張している。

直近で内閣府が2009年12月に実施した、死刑制度の是非に対する世論調査の選択肢は、(1)どんな場合でも死刑は廃止すべきである。(2)場合によっては死刑もやむを得ない。(3)わからない。の3つだ。回答結果では、(2)が85.6%と圧倒的であり、これを根拠に政府は「国民の大半が死刑制度を支持している」ことになっている。

死刑制度を廃止したい者からすれば、こうした設問は、積極的反対・消極的反対・消極的容認・積極的賛成・保留の5つが公平であり、具体的には(1)死刑は、どんな凶悪な犯行に対しても、やめるべきだ。(2)どちらかといえば死刑は避けたほうがよい。(3)どちらかといえば、場合により死刑はやむを得ない。(4)凶悪な犯行に対しては、死刑は当然である。(5)わからない・保留。の5つの選択肢を設けるのが公平だとの主張なのだろう。

確かにこうした設問にすれば、日本人は「どちらかといえば」の設問が好きな傾向があるので、死刑容認が過半数だとしても、ここまで一方的な調査結果になることは、ないと思われる。

だが、死刑というのは、要するに被告を殺すのか生存させるのかの、2つしかない。あいまいな選択はあり得ないのだ。黒か白かである。「植物人間状態で、生物的な呼吸だけは許す」という判定は、現在の常識では、考えられない。

ならば、死刑制度を存続すべきか、廃止すべきかの2つにしぼり、この明確な表現で、世論調査をすべきだろう。「やむを得ない場合に」などとあいまいな修飾語をつけず、あなたは死刑制度の存続に、賛成ですか、反対ですか、の2つにしぼり、賛成・反対のいずれかで、どこかのマスコミがまず実施してみてはどうか。

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2012年5月18日 (金)

東電が「全面撤退」と言ったかどうか、海江田氏は復唱確認を怠った

国会に設置された、福島原発事故調査委が5/17、震災当時の経産相だった海江田氏に参考人聴取を行なった。

大きなポイントの1つである、東電側が福島第一発電所から、第二発電所へ退避したいとの申し出をした際に、「一部の人員を残して、という話は一切なかった」と断言した。つまり全面撤退を申し出たと政府側は判断して、当時の菅首相が東電本社へ乗り込み、撤退はあり得ないと叱責した場面に展開させた。

しかし東電側は、当時から「全面撤退とは言っておらず、菅首相がそう思い込んで本社へ乗り込んできたことに違和感を感じた」と反論しており、両者の言い分は対立している。

「退避したい」とのセリフに、「一部の人員を残して」との言葉がなかったとしても、震災で混乱していた海江田氏が、それを「誰一人残さずに、全面撤退」と思い込みをしてしまったのだろう。

まったく新人並みの単純なビジネスワークだが、「復唱・確認」を怠ると、コミュニケーションはそれこそ“伝言ゲーム”のように、誤って伝わってしまうという事例だ。混乱しているときこそ、復唱・確認が必要なのだ。

以前も本欄でふれたが、映画「アポロ13」には危機管理の模範となるシーン、会話が随所に出現していて、とても興味深い。

「司令船は、もう死にかけているんですよ」と、環境スタッフからの進言に対して、ヒューストン司令官のジーンは、「確かに君の言うとおりだ。・・・反応バルブを閉じろと伝えろ」、と指示した。そのとおりに地上スタッフがアポロ13へ伝えたとき、ラベル船長は、「完全に閉じろということか、燃料電池の3号と1号を閉じろ、と言うんだな」、と確認したうえで、そのとおりに実行した。

反応バルブを閉じるという行為は、月面着陸を放棄することになる。この重要な局面で、ラベル船長は、しつこいくらいに復唱し、言葉も言い換えて、確認をしている。この作品が危機管理の企業研修としても、非常によくできていると評価される、一場面だ。

海江田氏が東電の「退避したい」に対して、「全面撤退するということかね。一人も残さずに、全員を第一発電所から撤退させると言っているのだね」と言い換え・復唱すれば、思い違いは生まれなかったはずだ。

■過去ログ2011.5.29「福島原発事故の危機管理は、“アポロ13”に学べ」参照 http://opinion-dmori.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/13-a5fd.html

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«解散を先送りにするための違憲状態放置を許すな