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2017年1月 8日 (日)

移民をどこまで受け入れるかを決めてから国際化を議論せよ

2016年は、英国のEU離脱決定、米国ではトランプ氏の大統領当選など、国際政治が大きな転換点を迎えた年だった。

2017年はドイツで総選挙、フランスで大統領選がある。ここでも移民やイスラム排斥などの保守が進出するようだと、この傾向がさらに進むことになる。

第二次大戦後の世界は、EU統合を象徴にグローバリゼーション=国際化をキーワードに進めてきたが、見直しを考える時期にきたようだ。中間層の白人所得が下がり、失業者が多くなったという、米国の状況が象徴的だ。

国際化を進めるに当たり、移民の受け入れもどこまで許容するのか、その限度を決めずに進めてきたことが、今回の大変革につながっているようだ。EUに参加した国々は、欧州内で通貨統合を行って経済交流を盛んにし、ともに発展していこうというコンセプトに賛同したわけだが、それがアフリカや中東などから、イスラム系を含めてこれだけ移民や難民が押し寄せるとは、予想していなかった事態だろう。

日本は極東の島国という環境があり、欧州の問題を実感していない国民が多いので、移民排斥のニュースなどを見ると、気の毒に思う人が多いと思われる。だが「国際化の時代だから」を旗印に、日本も自由に移民が入ってきてよい国にするべきだと思うだろうか。たとえば北朝鮮から、毎日何千人もの人々が船に乗って流れ着いてきたらどうするのか、欧州はいままさにこうした状況になっていることを理解したうえで、難民の報道を見る必要がある。

トランプ氏が、メキシコとの国境に壁を作るとの発言が支持される理由が分かる。最近では、トヨタがメキシコに新工場を建設する計画に、異論をはさんだ。トヨタでは、すでに米国内にも生産工場をいくつも持って、米国人の雇用に貢献しており、米国の工場をメキシコへ移転するわけではないから、米国民の雇用を減らすわけではない、と説明している。

しかしメキシコの安い人件費で生産されたカローラが、米国工場でのカローラより安いなら、米国工場の製品は売れ行きが低下し、ひいては生産調整や雇用の削減につながっていくことは、充分に予想される。トヨタの説明は、その点でトランプ氏への説得力には欠けている。

世界には、一日1ドル以下で生活している人が、現実に何十億人も存在している。こうした貧しい国々に対して、できる範囲で経済援助をするのは当然よいことだが、グローバリゼーションの名のもとに、移民も制限なく受け入れて、日本で働いてもらおうと考えるのか、こうした限界ラインをしっかり定めたうえで進めていくことが重要だ。

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